【結局”画映え”ってナニ!?元テレビマンが語る「テレビ攻略」の極意】
業界唯一、全員がメディア経験者のKMCgroup。
テレビ局出身の社員も多く在籍しており、テレビへのアプローチが強みの一つです。
今回は、テレビディレクターとして10年間テレビ業界を経験した経歴を持つ、弊社の創業メンバーの長沢に自社の商品やサービスをテレビにアプローチするときのポイントを聞いてみました。
テレビ露出を狙うための極意は必見です!
–よろしくお願いします!早速ですが、長沢さんこれまでの経歴を教えてください。
長沢:新卒でテレビの制作会社に入り、ディレクターとして報道番組や情報番組に携わっていました。10年で4番組程制作スタッフとして番組制作に携わっていました。
2011年頃からディレクターをやりつつ、ご縁があってPRのお手伝いを始め、現在に至ります。PR業界に入ってからは、かれこれ12年経ちましたね。
-テレビ局時代は、どんなことをやっていたんですか?
長沢:とにかく取材現場にたくさん行っていました。
ADの時から休みの日も現場に連れて行ってもらって、とにかく取材経験を積みました。
ディレクター1年目の時は、週の半分くらい羽田空港にいるか新幹線に乗っていて、地方の事件現場などを追っていましたね。
-全国各地を飛び回っていたんですね…!印象に残っていることはありますか?
長沢:情報番組にいた時代、街録(街頭で声をかけ、インタビューすること)が得意だったんです。「この人なら答えてくれそうだな」みたいな人を見極めて話しかけに行くのが好きで。
ある時、フリップに「あなたはどっち派」と聞いてシールを100人くらいに貼ってもらって帰ったら、翌週から「100人コーナー」としてコーナー化されて…。街録は大変だし、基本30人のコメントを取れればOKなので他のディレクターには嫌がられましたね(笑)
-すごいですね!長沢さんの「相手の懐に入る上手さ」が現れているエピソードだなあと思います。
長沢:実は人見知りなんですけどね(笑)仲良くなれそうだなと思った人への入り込み方はうまいかも。
高校時代も友達のお母さんに可愛がられて、友達が起きる前に勝手に家に上がって、朝ごはんを一緒に食べるとかしてましたね(笑)
-(笑)そんな長沢さんのコミュニケーション力は、テレビスタッフとのリレーション作りにも活かされていますよね。テレビへのアプローチで意識していることはありますか?
長沢:ディレクター時代にPR会社の方と接する機会があったのですが、そのとき「うちの番組見てます?」って思うことが多かったんです。番組の内容と合っていない情報を提供されたり、事前の案内と実際の現場で撮影できる内容が違ったり…。「僕がPRをやっていたらもっと番組に合った情報を持っていけるのに」という想いがあったので、出たい番組の内容を理解したり分析したりすることは徹底しています。
もちろん、担当している商材によってはどうやってもその番組には合わないときもあるので、少しでも確率を上げるために考えるのが、大変でありPRの醍醐味ですよね。
-番組の理解、大事ですよね。テレビスタッフにアプローチする時に必ずやっていることはありますか?
長沢:番組の視聴者層と親和性のあるニュースを調べるようにしています。
視聴者層でいうと、例えばお昼の時間帯であれば主婦向けの情報、夜の時間帯であればビジネスマン向けの情報など、「どの視聴者にとって役に立つ情報か」を見極めて、それにあったアプローチが大事になります。
-私もテレビプロモートをしている中で、特に「SNSでのバズり具合」を重視される番組が多いように感じているのですが…SNSの普及で、メディアフックとなる情報に変化はありましたか?
長沢:変化ありましたね。前よりもコスパが良い商品やサービスが注目されるようになったと思います。
テレビもそうですが、InstagramやTwitterなど無料のSNSツールを使っている人は、お金をかけなくても情報を取得できる。だから、そこで得た情報の中から商品を買う時に、あまりお金をかけない傾向にあるというのも理由なのかもしれません。
あとは、商品であれば見た目の面白さ。”画映え(えばえ)”はさらに重要になってきていますね。
-テレビ業界のみなさんがよく言う「画映え」って具体的にいうと何なのでしょうか?
長沢:テレビの撮影は、1時間カメラを回しても1分程度のOAにしかならないことも多いです。
コーナー企画や特集の場合はもっと撮影に時間がかかります。
僕の仲の良いディレクターがよく言っているのは、「汗をかいていることが見える現場」。
あとは、撮影できる現場や場面が変わる「画替わり(えがわり)」も重要です。
常に同じ場面しか撮れないよりも、パターンの違う様々な場面を撮影できる方がテレビスタッフには好まれますね。
-なるほど…。番組への情報提供において、意識していることはありますか?
長沢:“引っ掛かるポイント、いわゆるメディアフックを2個くらい作ること”を意識しています。
ニュースの入り口は大きく分けると主に「流行」か「新規性」が多いですが、新商品でなかった場合は特に、既視感のあるものをいかに新しく見せるかが大事。
販売実績やSNSでのキャプチャなどを利用して、「今取り上げる旬なネタであるように見せる工夫」はしていますね。
-テレビのディレクターやプロデューサーとのコミュニケーションで、大事にしていることはありますか?
長沢:自分からアプローチをする前に、必ず番組を見て「先週その番組でどんなものを取り上げていたか」は把握したうえで、連絡するようにしています。
あとは番組の中でも、露出を獲得したいコーナーに必要な要素を見つけたうえで、そのポイントを抑えてコミュニケーションをとりますね。
「この前あんな企画やっていましたけど、視聴率良かったんですか?」と聞いてみることもあります。
-番組を理解しているだけではなく、テレビ業界で培った知見をふまえどんな情報がテレビのフックとなるか見極められるのは、長沢さんの経験あってこそですよね。他に長沢さんならではのコツはありますか?
長沢:アプローチしたい内容の「キャッチフレーズだけ」を、ディレクターにメッセージで送ったりします。番組のタイトルや、右上にあるサイドテロップ(「この番組は今何について話しているのか?」が書かれた文字情報)になりそうなキーワードだけをあえて送ってみるんです。
ディレクターから「何それ?」って興味を持たれたら、具体的に情報を提供していくスタイル。
これは僕なりのやり方かもしれません。
―面白いですね!私もテレビのテロップを意識して見ながら勉強します。最後に、ズバリ、テレビを攻略するための秘訣をお願いします!
長沢:「わかっている情報は、すべて出せるだけ出す」ことです。
隠している情報がメディアフックになる可能性もあるので、難易度の高いテレビ番組のスタッフとコミュニケーションを取るときは、可能性を高めるためにもできるだけ情報は出しちゃった方がいいですね。
あとは、何度も言いますが番組のコーナーなど特性や傾向をよく理解することが大切なので、まず調べてみる、ということは必ずやった方が良いと思います。
PR戦略局 エグゼクティブプロフェッショナルIII 長沢 聡士
新卒でテレビの制作会社へ入社。ADを経て、ディレクターとして報道番組や情報番組を担当。10年間にわたりテレビ業界で活躍したのち、2011年よりPR業界へ。KMCgroupの創業メンバーとして、テレビ業界での自身の経験を活かしたメディアリレーションで露出を獲得している。