【生産性爆上がり!?】広報のリリース作成を効率化するAIツールが登場!
ニュースで見ない日はないほど、急速に発展している生成AI。私たちの働き方を変えるテクノロジーとして注目されていますが、広報PRの日常業務で大きなウエイトを占めているプレスリリース作成業務を効率化するAIツールが誕生したのです!
広報業務の省力化を図るため、KMCgroupのグループ会社「smartPR」では、生成AIの技術を活用したプレスリリース作成ツールを開発!広報のDX化を推進する事業開発を手掛けるsmartPRから生まれた、PR視点が盛り込まれた“広報のための”ツールになっています。
そこで、PRのプロフェッショナルとしてAIリリース作成ツール開発を手掛けたsmartPR取締役の園部に、ツールが完成するまでの裏側について聞きました!
PR視点満載!AIリリース作成ツール開発秘話
―プレスリリース作成にもAIを活用する時代が来ました!
園部:半年ほど前、ChatGPTが盛り上がり始めた頃から着手し実際の開発段階に入ってからは1か月ほどでベータ版ができました。生成AIの活用は間違いなくPR業界にも入ってくるテーマなので、まずは広報なら誰もが作成するプレスリリースに関するするツールを作ろうと考えました。
―ChatGPTも便利ですが、リリース作成専用のツールを開発したのはなぜでしょうか?
園部:ChatGPTは対話型のAIで、会話形式で必要な情報を入力しながらリリース作成することになります。修正をかけていけば精度の高いものはできますが、新しいツールができた時に誰でも使えるものにしないと浸透しないと考えました。あらかじめリリース作成に適したプロンプト(AIに指示する命令文)を裏側に組み込むことで、最低限の情報を入力すればリリース骨子ができる仕組みにしました。
―誰でも使えるツールというのは魅力的です!生成AIの仕組みとして、どういうプロンプトを入力すると精度の高い回答が返ってきますか?
園部:ChatGPTの場合、同じ情報を入力しても都度違う答えが返ってくるので、安定した結果を引き出すには、あなたは何者で誰に向けて書くものなのか、細かく指示するのがポイントです!
―良いプロンプトを書けるかどうかが、良いリリースづくりのコツになりますね。実際にAIリリース作成ツールにはどんな工夫がされているのでしょうか?
園部:例えば企業名を入力すると、裏側では「あなたは●●という企業の広報で、10年勤めています。過去の情報を参考に最高のリリースを作ってください」という指示がされるようになっています。他にも「同じ語尾は続かないようにしてください」「漢字とひらがなの比率は3:7にしてください」などと読みやすい文章にするための指示が組み込まれており、ChatGPTと違って毎回一からプロンプトを入力しなくてもリリース骨子が作成できるようなツールにしました。
―こだわりポイントも教えてほしいです!
園部:メディア目線で見ると、新商品やサービスが生まれた「背景」は注目するポイントの一つであり私自身もリリース作成で時間をかける部分です。
smartPRのAIリリース作成ツールには「開発背景」という項目があり、サービスの特徴などと書き分けることができるようになっています。
―広報業務を理解しているsmartPRならではの視点が盛り込まれているので利便性も高いんですね!
AIの実力はいかに!?リリース作成スピード対決!
早速AIリリース作成ツールの実力を試したくなってきました!
ということで、多い時は1日に4本のリリースを書くこともあるというPR戦略局の石井とリリース作成のスピードで対決することに!果たして、熟練のPRコンサルタントにAIは勝てるのか…?
勝負するリリースのテーマは、
架空の企業「KMCコスメ」がメンズ向け日焼け止め商品『KMCUVケア』を発売。
この新商品発表のプレスリリース作成で勝負してもらいます!
それでは……リリース作成スタート!
まずはAIリリース作成ツールに価格や内容量などの最低限必要な商品の基本情報を書き、メディアの方に関心を持ってもらえそうなPR要素を「商品の特徴」や「背景・今後の展望」の欄に入力します。
爆速でキーボードをたたく石井さんを横目に入力。各欄に5~6項目ほど商品のポイントを書き込み、リリース作成ボタンを押すと……。
あっという間にリリース骨子ができました!入力開始から生成までで6分27秒!表現が固い部分など、不完全な点もあるので再度作成ボタンを押して修正をかけていきます。
そして最終的にできたのがこちら!
ここまでで8分29秒でした。メンズビューティー市場が拡大しているという背景を汲み取って、タイトルにも「メンズビューティー市場に参入」という表現が加わっています。
一方、石井さんもリリース骨子が完成!9分29秒でした。
ということでスピード対決はAIの勝利!!僅差に見えるかもしれませんが、石井さんはPR歴6年のベテラン。AIのポテンシャルを感じます……。
メディアの方に関心を持ってもらえるような表現や、ファクトとなるデータなどを入れ込むとリリースの精度も高まっていくようです。
AIが変える広報の未来
―再び園部さんにお伺いします。開発は「誰でも使えるツールに」ということでしたが、どんな方に活用してほしいですか?
園部: 広報初心者という人にこそ使ってほしいです。熟練の広報担当者なら良い表現もすぐ浮かんできますが、必要な項目を入力し微調整するだけでリリースの骨子が作れるというところを結構意識して開発したので、広報初心者に向けたツールとも言えます。
また、正式なリリースだけでなくPRの施策を提案する前にツールに落とし込んでみて、リリースにした時に違和感がないか、という企画のチェックにも向いていると思います!わたしもアイデア会議のときに議事録のように要素を打って、最後にぽちっとリリースにすることで、企画のポテンシャルを図る一つの指標にもなっています。
―AI技術も日々進化していますが、今回の作成ツールは今後どのように展開していく予定でしょうか?
園部:今後は過去に配信されたプレスリリースなども参考にしながらアップデートし、精度の向上を図る予定です。開発が1か月で実現したのはPR会社としてリリースに必要な要素は何か、どういうボリューム感が良いのかプロンプトの材料となる知見があったのは大きいです。加えて、弊社には最新技術が出てきたらすぐ形にできるスピード感があります。今後は自社のエンジニアで内製化し、より変化の早い時代に対応できるPR会社になっていこうと考えています。
<AIリリース作成ツールについて>
AI技術を活用し、商品名や特徴、開発背景など必要な情報を入力すると、プレスリリースの骨子を自動で生成します。smartPR株式会社が提供する広報PR向けDXサービス「Prasy(プレイジー)」の新機能として、2023年8月までにベータ版の運用を開始予定です。
※情報漏洩や誤情報の提供等のリスクにも細心の注意を払っています。ユーザー企業が入力したデータが学習データとして使用されることはありません。
ニュースリリース:https://kmcgroup.pr-asy.com/release/308
園部夏織
求人広告、食品会社の営業、通販事業を経て、PR業界へ。2015年11月にKMCへ入社。
食品、小売、家電など多岐にわたる案件を担当しながら社内の生産性向上のためのツール開発を担当し、2021年SmartPRの取締役に就任。現在はKMCgroupPR戦略局の責任者と兼任で広報DX推進を担当。現在2児の母。