SNS広報の成功事例を解説!~X(Twitter)編~
近年、企業によるSNSでの広告やキャンペーン、自社アカウント運用、インフルエンサーの起用などSNSも広報活動の一種として多種多様な取り組みが行われており、KMCでも広報×SNSで相乗効果を狙ったプロジェクトを支援する機会も増えています。
以前のピアスタでは広報のSNS活用について総論をご紹介しましたが、今回はX(Twitter)編。
弊社でPR戦略の立案を手掛けるほか、SNS運用も担当している福永が考える、広報SNS活用について幅広い世代の利用者が多いXの活用方法を成功事例を用いて紹介します。
拡散と本音のX
―SNSの中でも幅広い世代の利用者が多いXですが、TwitterからXへの名前の変更など、日々進化しているXの強みを教えてください。
福永:XはInstagramやTikTokなどほかのSNSとは異なり、テキストベースで情報を発信できる点が大きな特徴です。特にリアルタイムでコミュニケーションを取れることが最大の強みであり、広報活動に生かしたい点でもあります。
―具体的にどのような点が広報活動に役立てられるのでしょうか?
福永:例えば、企業が新商品の発表やキャンペーンをXで行うと、 ユーザーの本音がリアルタイムで返ってきます。その意見の中には肯定的なものだけでなく、クレームや否定的なものも含まれますが 、それを基に柔軟に対応できるところも特徴です。
また、Xはテキスト主体のSNSなので、企業のメッセージを簡潔に伝えやすいことはもちろん、ユーザーの議論の場としても利用されています。
―そういったユーザーの意見は広報活動にどうやって生かすのでしょうか?
福永:ポジティブな投稿には積極的にリプライしてさらにファンを増やしたり、問題がある場合も誠実な対応を行うことで ユーザーからの貴重な意見を直接聞くことができ、その後の商品開発などに活かされるケースもあります。Xは「いいね」や「リプライをもらう」「画像や動画をクリックする」などのスコアの掛け合わせでアルゴリズムが有利に働くため、ユーザーとの積極的なコミュニケーションをとることによって、どんどんと拡散力が高まっていくのです。
成功事例① ユーザー参加型の投稿「マクドナルド」
―実際にSNS広報で話題化されている事例を教えてください。
福永:マクドナルドは「いいね」や「リポスト」の機能を使った投票などのユーザー参加型の投稿を新商品の発売日や、キャンペーンのタイミングで行っているため、ユーザーからのリアクションが多く、エンゲージメントを高められています。その他にも、新商品を公開する前にXで匂わせ投稿をする場合もあり、消費者の関心を高めたうえでプレスリリースを配信をすることで 、より話題化でき ているといえます。
―リリース配信とSNS投稿の相乗効果によって広く拡散できる戦略ですね!他にもSNSを意識した取り組みをおこなっているのでしょうか?
福永:マクドナルドは、新商品のパッケージを考案する際も、SNSで拡散された時の見え方を意識して いるそうですよ。
成功事例② 画像タップが強みの「ファミリーマート」
福永:次にファミリーマートのXはユーザーに画像タップをさせるよう意図的に仕掛けているなと感じます。
Xのシステム上、縦長の画像は真ん中の部分のみ表示されるため、自然とユーザーの好奇心をそそり、思わずタップしたくなる仕組みになっています。
また、ファミリーマートでもプレスリリース配信前にXで暗号のような謎の投稿をすることがあります。投稿を見たユーザーが謎解きをして リプライが盛り上がることでエンゲージメントを高めることにもつなげているんです。こうした工夫で プレスリリースを公開する際に話題が最大化するように仕掛けているので す。
BtoB企業でも汎用可能!専門性を生かしたSNS広報
―今回事例を用いて紹介いただきましたが、やはりSNS広報は大企業やBtoC企業でないとなかなか上手くいかないのでしょうか?
福永:結論から言うと、BtoBやニッチな業界でも専門性を投稿ネタに変えることができます。建設機械のレンタル会社の「新光重機株式会社」や水道の蛇口の製造、販売を行っている「株式会社カクダイ」など、ニッチな業界で専門性を生かしたユニークな投稿をすることによりエンゲージメントを高めている企業も多く存在しています。ちなみにSNS広報は採用活動にも影響があるそうですよ。
―最後に Xを運用する上で気をつけるべきポイントはありますか?
福永:注意点としては、Xはユーザーが宣伝と感じる投稿にはアルゴリズム上、厳しいペナルティが適用されることです。あまりにも「広告っぽい」投稿はすぐにスルーされてしまいます。だからこそ、情報を発信する際には、企業のメッセージが自然にユーザーに届くように工夫する必要があります。また、拡散力が高い分、ネガティブな反応も広がりやすいので、常にユーザーの反応をモニタリングし、迅速な対応が重要ですね。
――使い方により話題化の可能性は無限大ともいえるX。
エンゲージメントを高め、より効果的な広報活動に繋げられるよう、上手く運用されている他社のアカウントもぜひチェックしてみてください。
次回はSNS活用術3弾。写真や動画のSNSと言われるInstagramやTikTokの特徴とその活用法についてインタビュー形式でお届けします。
前回の記事はこちら↓
福永圭佑 PR戦略局SNSコンサルタント
大学卒業後、大手広告代理店 2社を経て、2018年にKMCgroupへジョイン。食品、日用品、BtoB、地方自治体をはじめ、あらゆるジャンルのPRプランニングやSNSコンサルティングを行っている。