SNS広報の成功事例を解説!~Instagram、TikTok編~
目次
近年、企業によるSNS活用が急速に進んでいます。
広告、キャンペーン、自社アカウント運用、インフルエンサーの起用など多種多様な取り組みが行われており、KMCでも広報×SNSで相乗効果を狙ったプロジェクトを支援する機会も増えています。
以前のピアスタでは広報のSNS活用 X(Twitter)編をご紹介しました(https://www.kmcpr.co.jp/article/20241031/)が、今回はInstagram&TikTok編。
弊社でPR戦略の立案を手掛けるほか、SNS運用も担当している福永が考える、広報SNS活用について、ファン構築力に長けているInstagramおよびTikTokの活用方法を成功事例を用いて紹介します。
いかに保存される投稿であるかが重要なInstagram
ー早速ですが、昨今の企業広報では欠かせないInstagramとTikTok。まずはInstagramの特徴とその強みから教えてください。
福永:Instagramは視覚的に魅力的なコンテンツ発信が強みのSNSで、ブランドの世界観を構築するのに最適なプラットフォームです。InstagramはSNSのなかでも、保存される投稿であることが重要視されるSNSで、保存数が多いほどアルゴリズムで高く評価され、より多くのユーザーにリーチできるという仕組みになっています。
自社の製品の特徴に合わせた選択がカギに!成功事例も含めて解説
ー実際に企業で運営する場合はどのような内容を投稿すれば保存されやすいのでしょうか?
福永:企業のInstagramを有効活用できる方法は4つに分けられるのですが、自社の製品の特長に合わせて選択することで効果を最大限発揮できますね。
インスタカタログ
自社製品や店舗取り扱い商品など、多岐にわたるアイテムを魅力的なカタログ形式で訴求します。Instagramならではの操作性を活かして公式HPよりも圧倒的にわかりやすくアピールできます。
インスタカタログは、複数のブランドを展開するメーカー様ショッピング施設・飲食店やECを展開する運営者様商品の入れ替わりが激しく、HPの更新が追い付かない方におすすめです。
<参考事例>
講談社えほん通信
https://www.instagram.com/ehon.kodansha/?hl=ja
お役立ち情報マガジン
雑誌のようにカラフルで楽しい読み物コンテンツを展開することで、キャッチーな表 紙とそれに続くボリューム感たっぷりの情報で読者を惹きつけることができます。自社だからこそ発信できる少しマニアックなテーマであるほどコアなファンが付きやすく、フォロワー数やエンゲージメントの向上にもつながりやすいところが特徴です。
旅行関連や自治体などスポット情報の発信、クリニックや金融系など専門的な発信、学校や各種スクールなどの強みや特色の発信におすすめです。
<参考事例>
名古屋駅西さんぽ インスタマガジン
https://www.instagram.com/ekinishi_sanpo/
おもしろ企画モノ系
ユニークで独自性のあるコンテンツを発信して注目を集め、アカウントのフォロワーになってもらうことにより企業やブランドのファンを増やせることが特徴です。
マーケティング施策との相性もよく、キャンペーンなどと組み合わせることでさらにリーチを伸ばしていくことができます。
マーケ施策との連動で短期的にリーチを増やしたい方、定番商品やブランドのイメージチェンジ 基本的なSNS運用を卒業して、攻めの運用を行いたい方におすすめです。
<参考事例>
松屋
https://www.instagram.com/matsuya_foods/?hl=ja
インスタNewsRoom
品質向上のための企業努力や社会貢献・SDGsといった、本来はあまり表に出てこない自社の取り組みや、社員インタビューといったコーポレート情報をInstagramのトーンに合わせて発信する手法です。提供可能な素材や取材可能なアセットを掲載することでメディア関係者向けのNewsRoomの役割はもちろん、新卒・中途のリクルーティングにも役立ちます。
NewsRoomは、社内に散らばるPRネタを収集したい広報さんやパーパスやSDGsの取り組み発信に課題を抱える方、企業理念を発信して採用広報を行いたい方におすすめです。
<参考事例>
スープストックトーキョー 【公式】
https://www.instagram.com/soupstocktokyo/
Instagramのアルゴリズムを徹底解説!
ー活用方法については先ほど伺いましたが、実際に投稿文を作成する際に心がけるべきポイントを教えてください。
福永:Instagramはアルゴリズムによって評価され、高い評価を得た投稿は、発見タブに掲載され、多くのユーザーの目に触れることになるため、よりアルゴリズムの評価が高い投稿を目指すことがポイントです。
ーアルゴリズムによって評価されることで、フォロワーではない人にも届けることができるのですね…!ではInstagramのアルゴリズムの仕組みはどうなっているのでしょうか?
福永:Instagramのアルゴリズムの評価基準は大きく分けて3つあります。
投稿の質
オリジナルの投稿か/定期的に投稿しているか/投稿テーマは明確か
他ユーザーの滞在時間は長いか/最後まで見てもらえているか/
投稿からプロフィール画面に遷移しているか/他アプリの透かしは入っていないか
コミュニケーション
いいね/コメント/保存/シェア/DM/他ユーザーへのアクション
インスタ機能の活用
リール機能やインスタライブ、投票機能などを使っているか
ーなるほど!Instagramは投稿すること自体ももちろん重要ですが、様々な機能を使うこともアルゴリズムによって評価されているという点に驚きました。
ちなみに、昨今はリールの活用も重要と聞きましたが、具体的にどう活用するのが効果的でしょうか?
福永:リールは静止画に比べ、フォロワー以外にもリーチしやすい仕組みになっています。そのため、よりクオリティの高い動画を制作し、非フォロワーにアピールすることでフォローにつなげることができます。
ーでは、近年急激に利用者が増加しているTikTokの特徴についても教えてください。
TikTokは出会いのSNS
福永:TikTokはSNSの中でコンテンツファーストのSNSと言えます。
フォロワー数が少なくても、コンテンツさえ面白ければ他のユーザーにどんどんリコメンドされるので再生回数が伸びやすいため新規参入者のハードルが低いことがポイントです。
ーTikTokはおもしろ動画が多く投稿されているイメージですが、企業でも簡単に導入できるものなのでしょうか?具体的な活用方法を教えてください。
福永:TikTokはSNSの中でもエンターテインメント性が強いSNSではありますが、企業でも簡単に導入できます。企業アカウントの活用方法は大きく分けて3つです。
会社紹介・採用
「ダンス」「あるある」「やってみた」「ドッキリ」などTikTokらしいフォーマットを活用して企業の雰囲気を訴求。
商品紹介
ライフハックなど広告感のない入口から自然に自社商品などを紹介。
ファンが付けば直接的な訴求も受け入れられる。
ブランディング
ショートドラマなどストーリー仕立てによる発信。
コンテンツの質によりフォロワーのロイヤリティを高める。
ー会社紹介や、商品紹介など一見企業色の強い内容も、切り口次第で活用できるんですね!ではTikTokを活用した成功事例についても教えてください。
会社紹介や商品紹介も切り口次第でバズが可能に?
福永:TikTokは切り口次第で企業の発信したい情報でもバズらせることが可能なSNSです。ここで企業のTikTok運用での成功事例も紹介します。
<成功事例①>
三和交通株式会社
https://www.tiktok.com/@sanwakotsu
広報・採用活動として投稿を開始。おじさんが踊るユニークな動画はメディアにも波及し、広告換算費は5億円を超えた。
<成功事例②>
アース製薬株式会社
https://www.tiktok.com/@earth_official00
広告感のない投稿でユーザーとのコミュニケーションを行っておりストレートな商品訴求もエンゲージメントが高い。
<成功事例③>
サントリーホールディングス株式会社
https://www.tiktok.com/@suntorytiktok
全3話のショートドラマで「限界ちゃん」の日常シーンを切り取りながらハイボールを訴求。1万いいね以上を獲得。
ー沢山の事例も合わせてお話いただきありがとうございます。
TikTokもユーザーとのコミュニケーションが評価基準になる印象ですが、TikTokのアルゴリズムはInstagramとは違いがあるのでしょうか?
福永:TikTokもInstagramと似ていて、いいねやコメント数も評価基準になるものの、視聴時間や完了率、シェア数、同アカウント動画の視聴回数も評価基準となります。
ーSNS広報に関して、これまでX(Twitter)、Instagram、TikTokと解説頂きましたが、これからSNS運用に挑戦したいと考える広報さんに向け、SNS運用の心得を教えてください。
福永:はい。SNSはそれぞれ特性があるため、目的に応じて自社にぴったりのSNSを見極めることが重要です。また、ただ投稿するのではなく、アルゴリズムを理解した上で投稿するとより効果的に運用ができるでしょう。
また、SNS運用は効果が出るまで平均6か月と言われているため、継続する事が重要です。
社内で運用する場合は、継続できる体制作りも必須となるでしょう。また、SNSのトレンドは目まぐるしく変わるので、週単位での運用改善を心掛けることが成功のカギとも言えます。
使い方により話題化の可能性は無限大ともいえるSNS。
企業での導入の際はしっかりとした体制づくりとアルゴリズムを理解することでより効果的な広報活動に繋げられます。実際にSNS広報の導入を検討している方は参考にしてみてください。
前回の記事はこちら↓
福永圭佑 PR戦略局SNSコンサルタント
大学卒業後、大手広告代理店 2社を経て、2018年にKMCgroupへジョイン。食品、日用品、BtoB、地方自治体をはじめ、あらゆるジャンルのPRプランニングやSNSコンサルティングを行っている。